<イベント>
KAKERU #4
2021.01.30
第4回目のテーマも「各業界のプレゼンテーション術」について。
今回はデザイナー / イラストレーターのデザインひろば代表、鈴木暁久氏による「広告の自主プレゼンテーション」でした。
プレゼンテーションといってもクライアントから依頼があり受注する為のプレゼンではなく、企画を自主的に行い、仕事に繋げた事例をお話いただきました。
大きく違うのはまずスタートが「作らない前提」であるため、すごく嫌がられるか好かれるかに分かれる。
デザインはもちろん、そのデザインを納得してもらえる材料も十分にそろえ、見積もりまで綿密に練られた資料でプレゼン相手を引き込まなければいけません。
集中できる場をつくる
紙ベースの提案資料の場合はあえて2人にひとつだけ。
さらに資料をひとまとめにして渡さず、1枚ずつ、まるで「紙芝居」のように話を挟みながら手渡していく。
そうする事で相手のペースではなく、提案する側のペースで話を惹きつけ、プレゼンに集中してもらう事ができます。
まとめた資料を1人に1部ずつ渡すと自分のペースで先にページをめくってしまう方もいて、提案内容の感動や解釈に食い違いが生まれる場合がある。
話をしっかり聞いてもらうのはもちろんですが、そういったプレゼン自体の熱量を保つ防御策にもなります。
体験を盛り込む
プレゼンでは一方的に話をし、最後に質問というパターンが多い中、あえて途中にクイズのような質問を出し、聞いている人たちに答えてもらう場面をつくります。
その質問というのは話だけでは理解しづらい事や響きにくい事を、身を以て体験してもらう事で、理解を得やすくするため。
さらに途中で飽きさせないという効果もあります。
おまけをつくる
提案するデザインに直接関係ないところで、プレゼンのどこかに「おまけ」の話題を盛り込みます。
伝えたい事の補足にもなるわけですが、一息つき、身構えずに気軽に話を聞いてもらえる場面をつくリ出す事で、聞いている人の素直な反応が見られる。
いい反応がなく、そのまま流されてもプレゼン自体のダメージには繋がりにくいですが、興味を示してもらえると強力な武器となり、最後の一押しになる事があります。
ストーリー作りを得意とする鈴木氏ならではの紙芝居のように進めていく作りこまれた提案書は、随所にテクニックを感じさせながらも聞いている人を惹き込む。
まさにプレゼンテーション自体をデザインしている事が印象的でした。
さて「KAKERU」の1クール目はこれで終了。
次回以降はまた違ったテーマや形で勉強会を進めていきたいと思います。
デザインひろば 代表 鈴木暁久氏
企画会社や広告代理店でデザイナーとして経験を積んだのち、2013年デザインひろばを立ち上げる。
デザインやイラストの企画・制作をおこなう傍ら、学び(遊び)育つ場、ワークショップやセミナーなども主催する。